「フルダイブ実現は2030年代」AI権威レイ・カーツワイルのVR未来予測

レイ・カーツワイル(本名レイモンド・カーツワイル)の著書【Singularity is Near】をご存じでしょうか?

シンギュラリティ(Singularity)とは「特異点」、ある基準の下でその基準を適応できない点の事

別にわからなくても全然良いんですけど、彼のこの発言で世間に「技術的特異点」という概念が浸透しました。

で、本書にて「VRゴーグル」や「フルイマージョン(フルダイブ)VR」についての未来予測が書いてあります。

【Singularity is Near】は2005年に書かれた本書ですが、2010年代~2045年までの技術的シンギュラリティまでに人類とVRがどういった形で付き合っていくのかが詳細が書かれているので、本書から内容を抜粋して紹介していきます。

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レイ・カーツワイルって誰?

レイカーツワイル TED

引用:TED

レイ・カーツワイルはGoogleでのAI開発の総指揮、アメリカの発明家、実業家、未来学者で人工知能の権威として知られている人物

1960年12歳からコンピュータにのめり込み、マサチューセッツ工科大学在学中、20歳の時に起業、その後アメリカ発明家の殿堂に加えられている天才。

未来研究や収穫加速の法則でも知られ、なかなかぶっ飛んだ論理を展開する方なので度々「テクノロジー楽観主義者」と呼ばれて批判される事もあります。

おそらく彼の頭の中に我々が追いついていけてないだけだと思う。

以前彼が「音楽家であった父の資料を集めて、DNA情報と照らし合わせて父と同じ人格を有する人工知能を作り上げて亡き父と再会をはたす」と冗談抜きでコメントしているのを見て身体に電流が走ったのを今でも覚えています。

他にも不老不死を本気で目指しているらしく、我々凡人からかけ離れた発想をお持ちの様。

そんな彼が2005年に発表した著書「Singularity is Near(邦題:ポスト・ヒューマン誕生)」の中でVR関連の予測部分を抜粋して見ていきましょう。

2010年代 網膜照射型VRメガネの台頭

avegant-glyph

avegant-glyph

2016年はVR元年と騒がれたのは記憶に新しいですが、彼は2010年代バーチャルリアリティの生成が可能になるという事を見事に的中させています。

特筆すべきはユーザーの網膜に直接映像を描写するVR眼鏡が登場し、それが新しいメディアとなるという点。

まだまだVRが新しいメディアだとは言い難いですが、HMD「Avegant-Glyph」のように網膜に直接映像を照射して見る事が出来るデバイスの登場を見事に的中させています。

著書内ではVRメガネはユーザーを助ける「バーチャルアシスタント」機能が搭載され、翻訳機能や日常タスク管理をしてくれるようになると述べています。

2020年代 現実とVRは区別がつかないほどの高品質に

人間の脳は非常に複雑であり、現在においても完全な解析は至っていないと言われています。

それが2020年代になれば完全なコンピュータシミュレーションが完了し、VRと仮想現実の区別がつかない所まで高品質なVRが提供されるようになると彼は言います。

1000ドルあれば人間の知性をエミュレート(模倣)出来るくらいの性能を持つPCが誰でも購入出来るようになるのです。

医療用ナノマシンの実用化もこのあたりから導入され始めます。

2030年代 フルイマージョン(フルダイブ)の実現

2030年代には精神転送が成功して人そのものがソフトウェアベースとなります。

具体的にはナノマシンを脳内に挿入し外部機器を介さずにVR空間を生成できるようになります。イメージとしてはSAOでいうナーヴギアが必要なくなり、いつでも好きな時に自分の世界を構築できるようになるわけです

ナノマシンは脳の認知、メモリ、感覚機能を拡張するものとして、人格や記憶、知性を変更可能なので、自分のなりたい人間に誰もがなれるわけです。

人間がテレビゲームのキャラクターの様に脳内の神経接続によって簡単に変更できる時代になる、まさに「神」に人間が近づいていくわけです。

2040年代 仮想現実で時間の大半を過ごすようになる

日常生活におけるあらゆる事が仮想空間内で体験可能となり、多くの人は仮想空間の中で時間の大半を過ごすようになります。

フォグレットと呼ばれる人間の外見を自由に変化させるナノマシン群が使用され、自分好みの外見で毎日を生活するようになります。

こうなると、見た目の格差は完全に取り払われます。

2045年 シンギュラリティ

技術的特異点、人類すべてが束になっても1000ドルのPCの知性に敵わない時代になります。

そして人間の歴史の進路を変える世界的変化をもたらすイベントが起きると言われています。

破壊的思想をもつロボットが人類を滅亡させるシナリオもないわけではありませんが、サイボーグ化された人類とコンピュータにアップロードされた人間の存在のおかげで人類絶滅のシナリオは可能性としてはかなり低いそうです。

そもそもこの時代になるとあちこち機械化された人間も存在しているはずで、今で言う「完全生身」の人間が存在していない可能性も大いにあり得ます。

今でいう【人とはなにか】という概念自体が変わっている可能性もあります。

未来予測はVR以外にも沢山

ファンタジー小説の様に見えることもありますが、これらはレイカーツワイル氏の緻密なリサーチと見識から導きだされた説得力のある未来予測がなされた素晴らしい一冊です。

技術として確立されても国の認可がおりるか下りないか、といった倫理的問題点もありますがまだ見ぬ未来に期待せざるを得ません。

未来を期待し待つか、憂いて待つのかは人それぞれですが、来るべきSingularityの日に備えて、本書を読んでみてはいかがでしょうか?

↑「Singularity is Near」の日本語翻訳版です。600ページ以上あって大ボリュームです。Kindle版あり。

↑250ページ程度でサクッとよめるエッセンス版もあります。Kindle版もあります。

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