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第一世代HMD御三家『オキュラスリフト』『HTC ヴァイヴ』『PSVR』が出そろい、これから本格的なVRブームが始まろうとしています。
PSVR以外は配送も始まり、配送遅れの問題(HMD)とか決済の問題とか(Vive)色々あったけど、すでに手元に届いたという方も多いと思います。
最も、こういったハイエンド型HMDではなく、安価さや手軽さからGear VR、GoogleCardboard、ハコスコといったスマホを使ったVRゴーグル/ビューワーが主流になる可能性もありますが、ひとまず役者はそろいました。
しかし、ゲームデザイナーJesse Schell氏の40の予言ではこれから先の1年間で50種類以上のヘッドセットが登場すると予想していましたね。
勿論、発表されていくHMDの中には、日の目を浴びずに消えていくものもあるかと思いますが、オキュラス、HTC Vive、PSVRの次に出てくる第二世代のHMDに必要なのは『視線追跡機能』だと言われています。その理由に迫ります。
視線追跡とは『人が何処をみているか追いかける技術』の事です。
角膜反射法といって、人の眼球にデバイスから赤外線を照射して、角膜上に反射点を作り、独自アルゴリズムで眼球の向きや距離を計算することで何処を見ているか測定することが可能になります。小さな文字やちょっとしたアイコンレベルを見ていても精確な位置を計算することができるので、アイトラッキング技術は今までも、医療、福祉、マーケティングなど様々な分野で活躍しています。
そしてVR業界も例外ではありません。厳密に言えば視線追跡技術は、以前(数年前まで)は『別に気にしないでいいよね』くらいの感じだったと思うんですけど、現在あらゆるHMDメーカーが次世代における最重要課題の一つとして挙げています。
ではなぜ、この技術が次世代のHMDに必要だといわれるようになったのでしょうか?一つは視線入力によりVRの表現の幅が広がる事ですが
もう一つは『Foveated Rendering(フォビエイテッド レンダリング)』という技術に対する期待からです。
Foveated Renderingって全然聞いたことない人も多いでしょうし、フォビエイテッドレンダリングって日本語でも難しいし、なんかよくわからないですよね。
まずは、上の画像をご覧ください。プレイヤーが銃を構えて狙ってる部分だけが高画質で表現されているのがわかりますか?これがFoveated Renderingです。
簡単に説明すると『視線を向けている所だけ高解像度で表現する技術』という感じです。人の視界も実は全てを見ているようでこんな風に視線を合わせた部分を中心に情報を得ているのでより現実に近い視覚表現です。
しかしVRにおいてこのFoveated Renderingが重要視されているのは『より人の視覚に近い表現ができるから』ではなく、フォーカスした部分だけを高解像度にすることで、VRに必要なハードのスペックを抑える事ができるからです。
技術としてどれくらい効果があるのは現段階では未知数で、完全に実用化できるまでは数年単位でかかると予想されていますが、VRを体験するのにハイエンドPCが必要という現状を打破しVRを民主化する為に大切な技術とされているのです。
じゃあ現段階で、HMDと視線追跡技術に全くの進展がないかというとそうではありません。実はすでに多くの企業が研究を進め実用化に向けて動いています。いくつか紹介しますね。
メディアでも何度か取り上げていますが、日本発、世界初の視線追跡型ヘッドマウントディスプレイの『FOVE』です。
元ソニーの小島由香がCEOを務めるスタートアップで、先日もコロプラから多額の資金を調達した事でも話題となりました。
関連:コロプラが『FOVE』に出資!VR業界全体が『視線追跡』に注目開始!
視線追跡の事とかFoveated Renderingについても書いたので興味があったら見てみてくださいね。
FOVEは発売が今年5月の予定でしたが、今秋10月(PSVRと同じ時期)に発売予定です。
解像度5,120×1,440という化け物級スペックで話題となっているStar VRに視線追跡技術の世界シェアナンバー1と言われているTobii Technologyが2015年9月に技術提供をしています。
でもこれ実はStar VRに限った話じゃないんです。以前の記事(アイトラッキング技術世界シェアNo.1の『Tobii Technology』に惚れた話)でも書いたんですけど、Tobiiのアイトラッキングって付属のデバイスを装着することでどんなHMDにも使えるようなんですよ。
実際のぞき込んでみたけど、一見邪魔くさそうなセンサー(赤矢印部分)も視界に入らないように計算されているし、汎用性ありすぎる。これは強いよ。
こんな風にモニターの前方にセンサーを置くだけでも使えます。キャリブレーションにかかる時間も数十秒。今はHMDを装着して使うのが一般的だけど、HMDが軽量化してシースルーのメガネになったとしてもこれで代用できちゃいそうだよね。
こちらは上記の二つと違い、BtoB向けに開発された技術ですが、SensoMotoric Instruments視線追跡技術をGear VRに活用することでマーケット調査をはじめとする様々なリサーチを行う事が出来る様にするそうです。
Gear VRはHMDとは違い唯一ワイヤレスで利用できるため、大規模なイベントで使用されるのは大抵Gear VRですし今後の視線追跡技術の展開の仕方によっては覇権を握るのはGear VRになるかもしれません。
正直Gear VRって他のOculus Rift、HTC Viveより先に発売されたから第二世代とかじゃないんだけど視線追跡技術の~、って事で紹介しました。
ここで紹介したもののほかにも色々ありますが、基本的には『FOVE』と『Tobii』はこれから名前を聞く機会も増えていくと思うので、知っておいて損はないと思います。
しかし冒頭でも申し上げた通り、おそらくこれから世の中にバンバン新しいHMDが出てきては消え、出てきては消え、を繰り返すので、将来的には『どれを選んでいいかわかんねーよばっきゃろー』となる人が続出するはずです。VRが普及していけば情報弱者との格差はますます開いていく可能性もありますし。
そんな時はぜひ『あおぞらVR』を思い出してみてください。僕らは『業界の人じゃないけどVRに興味がある』という気持ちさえあればウェルカムです(VRに興味がなくてもSAOとかラノベが好きなだけでもウェルカムw)。
だから、フォローとか、応援とかリツイートとかよろしくね!
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